2018年

      
2月1日(木)

                     1月29日の浅草寺境内
        浅草

      
      先日、浅草見番で浅草生まれの久保田万太郎の作品が文学座有志により上演される

    というので観に行った。見番は浅草寺裏の言問い通りを渡った先にあり、途中で

    きもの姿の若い女性を何人も見掛けた。最近観光地で人気の着付けつきレンタルきもの。

    日陰には積もった雪がまだ残っているのに、ほとんどの人がショールもコートもなく

    厳しい寒さもなんのその、若さってスゴイと思った。


        浅草見番


        見番の三味線
        

     見番の舞台は芸者さんや半玉さんの踊りの稽古だけでなく、時々催し物にも使われるようで

     横に広く、ビロードの幕には百貨店のマークも入っていた。畳の上の椅子席は快適だったが

     過去に観た文学座の舞台とは違い、久保田万太郎の情緒は残念ながら感じられなかった。


                    「ふるあめりかにそではぬらさじ」の杉村春子

              杉村春子
                                 作・有吉佐和子

      
     文学座といえば、襟元のゆったりとしたきもの姿の杉村春子さんを思い出す。

     近松、鏡花、一葉など杉村さんがきもので出演する舞台は晩年まで観ているが

     上の写真、都落ちした吉原芸者の役は忘れ難い。リズミカルな台詞回しで客席を

     抱腹絶倒させた「ふるあめりかにそではぬらさじ」の舞台は新聞の劇評でも絶賛

     されたが、何と!この青いきものも褒められた。当時、劇評で衣裳に言及することは

     皆無だった。この青いきものは縞だが、織ではなく染。作者に京都のパーティーで

     お会いし言葉を交わしたこともあるが、ローケツ染を駆使する男性である。

     杉村さんは声楽家志望だったせいだろうか、日常の会話にも独特のリズムがあり

     周りの人を魅了した。そして涙脆くもあった。


          泣きむしの 杉村春子 春の雪     久保田万太郎


                        すしや横丁の向かいにある

            久保田万太郎の碑
     


    1月1日(月)

      新しい年が始まる。今年はどのような出会いがあり、どのようなきものや帯を

    染めることになるのだろうなどと、ぼんやり想うのも正月の妙味かも知れない。


                今年成人式です。 昨夏前撮りしました。
          成人式


                      
      振袖          


    上の写真は一昨年の夏に御註文を受け、ほぼ一年がかりで染めた振袖。

    何年か前に振袖を染めながら、体力、気力を必要とする振袖はもう最後かなと思っていた。

    しかし若い方らしく、グレーの地色にしたいという意外な御希望を伺い俄然、迷いが吹っ飛んだ。

    振袖は色々染めたがグレーの地色は初めて、文様は本友禅の絵巻物に素描友禅の松竹梅。

    新鮮な気分になり愉しい、愉しい仕事だった。

   
           袖
                   左 外袖の部分
            

           袖
                   右 外袖の部分



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